第268話　衝撃！二少の素顔はこんな人だった

夏川清美は結城陽祐から渡されたダイエット計画を見て、健二以上に驚いた。

計画の詳細さ、考慮の行き届きようは、彼女以上に細かく慎重で、さらに産後の体調まで考慮に入れた、非常に完璧なプログラムだった。

そして、このプランの期間は彼女の予想よりも長く、明らかに彼女の体のことを考えてのことだった。

夏川清美の気持ちは複雑で、言い表せない...うーん、感動があった。

しかしすぐに別の矛盾した感情が湧き上がってきた。この男は彼女のことを嫌っているのだろうか？

だからこそ急いで完璧とも言えるダイエット計画を作ったのか？

彼は自分を変えたいのか？

「ストップ！」頭の中でさまざまな奇妙な考えが渦巻いているとき、夏川清美は慌てて自分を止めた。これは全く彼女らしくない！

夏川清美がこんなことで悩むなんて、ただのダイエット計画なのに、なぜそんなに考え込む必要があるのか？

事実として、結城陽祐は彼女を助けようとしているのに、彼女はいろいろと余計なことを考えている。そんな暇があるなら、このプランを研究して、ダイエットの旅を始めた方がいい。

これは自分でプランを立てるよりずっと楽だ。

そう思うと、夏川清美は珍しく結城陽祐にLINEを送った。「ありがとうございます、陽祐さん」

結城陽祐は会社の仕事を処理していた。彼は疑惑を仕掛けたものの、体調の問題は長く隠せないため、その前に株式の件を片付けなければならなかった。さらに、彼の名義の事業は結城財閥だけではなく、処理すべき事項が多かった。

携帯の着信音が鳴っても気にせず、夜遅くまで仕事を片付けた後、やっと携帯を開いて夏川清美のメッセージを見て、眉を上げた。「それだけ？」

返信した後で時計を見ると既に1時で、起き上がって休もうとした時、携帯が「ピン」と鳴って新しいメッセージが届いた。「どうお礼すればいいんですか？」

結城陽祐は眉をひそめた。「まだ寝てないの？」

「木村久美が起きちゃって、今授乳中です」夏川清美は眠くてぼんやりしながら、深く考えずに返信した。

結城陽祐はメッセージを見て眉をひそめ、以前見た光景を思い出し、耳が少し赤くなりながら聞いた。「一晩中何回も飲むの？」

「3、4回くらいですね」夏川清美は返信しながら、一生懸命飲んでいる木村久美を見て、眠くて欠伸をした。