第288章 確認済み、実の息子

「どうやって出て行けばいいんだ?」結城陽祐は声を潜めて尋ねた。

夏川清美は「……誰も胸を見つめたりしないわよ」と言った。

しかし、夏川清美がそう言わなければよかったのに。言われた結城陽祐はさらに苛立った。前回、お爺さんに反発して、冗談で自分は不能だと言ったら、老人は電話で泌尿器科病院を紹介してもらい、今では業界中に手術失敗で不妊になったと知られてしまっている。

今度は息子におしっこをかけられて、このまま出て行けば、また何を噂されるか分からない!

「子供を置いて、着替えを取りに行け」結城陽祐は命令した。

「健二が……」

「お前が行け!」夏川清美が健二の名を出した途端、男の声が急に大きくなった。

夏川清美は震え、健二の性質を思い出してまた笑いそうになった。怒りに任せているものの、相変わらず美しい顔を見て、人前で面目を失わせるのは忍びないと思い、「はい」と答えて木村久美をベビーカーに寝かせた。「すぐ戻るわ。機嫌が悪くなったら、カートを押して回ってあげて」