第311章 男の美しさの利点

夏川清美は針のカバーを片付け、ソファーに横たわる男を見つめながら、どうすべきか迷っていた。

起こすべきか、起こさないべきか?

迷いながらも近づき、ソファーで眠る結城陽祐をじっくりと観察した。

男は本当に美しかった。

夏川清美は初めて、医学を学んだ自分が少し役立たずに感じた。教養のある人なら、このような美貌を前にして世界で最も美しい詩を詠むだろうが、彼女は「きれい」の一言しか言えない。

でも本当にきれいだ。女性的でもなく、意地悪な時でさえ目の保養になるし、病気の時もそうだ。

午前中は盗み見して捕まったが、今は男が眠っているので、夏川清美の視線は大胆になっていた。

以前は先輩が世界で一番美しい男性で、藤原悠真が辛うじて二番目だと思っていた。

しかし今になって、自分の見識が浅はかだったことに気づいた。