夏川清美は針のカバーを片付け、ソファーに横たわる男を見つめながら、どうすべきか迷っていた。
起こすべきか、起こさないべきか?
迷いながらも近づき、ソファーで眠る結城陽祐をじっくりと観察した。
男は本当に美しかった。
夏川清美は初めて、医学を学んだ自分が少し役立たずに感じた。教養のある人なら、このような美貌を前にして世界で最も美しい詩を詠むだろうが、彼女は「きれい」の一言しか言えない。
でも本当にきれいだ。女性的でもなく、意地悪な時でさえ目の保養になるし、病気の時もそうだ。
午前中は盗み見して捕まったが、今は男が眠っているので、夏川清美の視線は大胆になっていた。
以前は先輩が世界で一番美しい男性で、藤原悠真が辛うじて二番目だと思っていた。
しかし今になって、自分の見識が浅はかだったことに気づいた。
少なくとも先輩は目の前の男ほど美しくない。
心の中では依然として先輩の方が好きだが、このような客観的な問題では、偏愛は意味をなさないことを認めざるを得なかった。
圧倒的な実力の前では、あらゆる技巧が無力であるように。
この男の美貌もそうだった。
夏川清美は思わず近づいた。午前中は邪魔されたが、今は結城陽祐が仰向けに寝ており、目を閉じていて、まつ毛は昼間よりも長く見え、肌は眩しいほど白く、鼻筋が高くまっすぐで、唇は桃色で、夏川清美は思わず自分の唇を噛んだ。
これ以上見る勇気がなく、視線を眉に移した。結城陽祐の眉がどんな形なのかわからなかったが、先輩は平眉で穏やかな印象だった。この男の眉は少し上がっているが、やりすぎではない。剣眉だろうか?
でもそうでもない。
剣眉より柔らかく、明るく清潔な心地よさがあり、この整った顔立ちに完璧に似合う美しさだった。
そして昼間の気取った高貴さは消え、今の結城陽祐は額に散らばった髪の毛と共に、世間知らずの大学生のように穏やかに眠っていた。
こんなに美しい男が結城家のような波乱に満ちた家庭に生まれ、冷酷で果断な行動をとるのに、人の心を痛ませるような顔を持っているなんて、誰が想像できただろう。
しかし美しさには確かに利点がある。どんなに悪いことをしても、人の心を麻痺させ、優しい気持ちにさせやすい。