夏川清美は針のカバーを片付け、ソファーに横たわる男を見つめながら、どうすべきか迷っていた。
起こすべきか、起こさないべきか?
迷いながらも近づき、ソファーで眠る結城陽祐をじっくりと観察した。
男は本当に美しかった。
夏川清美は初めて、医学を学んだ自分が少し役立たずに感じた。教養のある人なら、このような美貌を前にして世界で最も美しい詩を詠むだろうが、彼女は「きれい」の一言しか言えない。
でも本当にきれいだ。女性的でもなく、意地悪な時でさえ目の保養になるし、病気の時もそうだ。
午前中は盗み見して捕まったが、今は男が眠っているので、夏川清美の視線は大胆になっていた。
以前は先輩が世界で一番美しい男性で、藤原悠真が辛うじて二番目だと思っていた。
しかし今になって、自分の見識が浅はかだったことに気づいた。