第310章(上架特典付き)「私を想って眠れないと言ったのは、あなた」

結城陽祐は夏川清美のその輝く大きな瞳に見つめられ、一瞬にして心が溶けてしまい、老人を見上げて「必要ありません」と言った。

夏川清美は密かにほっと胸をなでおろした。

次の瞬間、男が付け加えた。「私が彼女のところへ行きます」

夏川清美「……」これって何が違うの?

老人は満足げに孫に頷いた。教えがいのある子だ。

夏川清美はもう食事に集中することにした。最近本当に大変な日々を送っている。

夕食後、夏川清美は藤堂さんと交代し、木村久美と七時過ぎまで遊んでいた。小さな子が寝てしまったのを見て、藤堂さんに見ていてもらい、自分はお風呂に入った。出てきたら、なんだか様子がおかしいことに気づいた。

「清美ちゃん、お風呂上がったの?私が久美ちゃんを隣の部屋で寝かせるから、あなたは二少爺をよく面倒見てあげてね」そう言うと、久美ちゃんを抱いて振り返り、夏川清美が反応する暇も与えずに出て行った。