第342章 よくも2000万のことを口にできたな?

「黙れ」林富岡は頭が混乱し、一時的に何が真実で何が嘘なのか判断できなかった。

「あなた、私の話を聞いて。あなたが思っているようなことじゃないの!」鈴木末子は焦って説明しようとしたが、この時点で説明しても無駄だと分かっていたので、話題を変えた。「あなた、今は株式のことを確認した方がいいんじゃない?」

林富岡は鈴木末子を冷ややかに見て、胸を押さえながら上杉部長に尋ねた。「口約束だけじゃ信用できない。証拠が欲しい。若雅の遺産をなぜあなたたちなつき信託が処分できるんだ!」

上杉部長は昨日社長が直接契約書を持って清美さんのサインをもらい、最後にこの件を引き受けたことを思い出し、少し困惑しながらも、より誠実な表情で「申し訳ありませんが、もはやあなたには矢崎様の財産について問う資格はございません」と答えた。