第386章 彼女は林夏美でもちょうちゃんでもある？

遠山正は躊躇しながらメールボックスを開いた。すると若い顔に衝撃が走り、手に持っていたミルクティーを無意識に握りつぶしてしまった。「まさか？」

しばらくパソコンを見つめた後、遠山正は我慢できずにキーボードを叩いた。「あなたは誰ですか？」

なぜ自分がちょうちゃんだと言うのか！

ちょうちゃんは林夏美ではないのか？

夏川清美はこんなに早く返信が来るとは思わなかった。相手が間違えてメールを送ったのか、それともメールボックスの所有者が変わったのかと考え、少し躊躇した後、「私はメールボックスの所有者です」と返信した。

「林夏美？」遠山正は試すようにこの三文字を打った。しかし心の中では、林夏美は今頃空港に向かっているはずだと不思議に思った。彼はすでにパスポートの情報を変更してあり、スムーズに搭乗できるはずだった。

夏川清美は相手が林夏美を知っていて、自分を林夏美だと思っていることに驚いた。少し不快に感じながら、「私は林夏美です。もしあなたがメールボックスの所有者でないなら、お邪魔して申し訳ありません」と返信した。

その後、夏川清美は古い携帯電話をバッグに入れ、もう開く気にはならなかった。

相手がなぜ自分を林夏美だと思ったのかはわからないが、林夏美と親しい人なら、きっといい人ではないだろうと考えた。

しかしメールボックスの向こうの遠山正は、メールの三文字をじっと見つめ、長い間我に返れなかった。林夏美？どの林夏美だ？

おかしい、このメールボックスがどうして林夏美のものであり得るのか。これは明らかにちょうちゃんのものだ！

数年前にIPを調べた時、ちょうちゃんのQQとメールボックスのIPはすべて林邸からのものだった。そして林夏美も自分がちょうちゃんだと言っていた。彼らはQQで一年間連絡を取り合い、その後他の通信手段に変更した。

しかし今、メールボックスの向こうの人は自分が林夏美で、メールボックスの所有者だと言っている。これは一体どういうことなのか？

遠山正は初めて自分の頭が追いつかないと感じた。

彼は緊張しながらキーボードを打ち続けた。「あなたは林夏美でもあり、ちょうちゃんでもあるのですか？」

しかし向こうからの返信はもう来なかった。