第385章 男は可愛いと形容できるの？

夏川清美は意外そうに「彼女は逃げるつもりなの？」

鈴木末子の上訴を諦めるの？

「今入った情報では、槙島秀夫から300万円を脅し取って、もう空港に向かっているそうだ」結城陽祐は林明里が鈴木末子の上訴が無理だと気付いて、金を持って逃げ出す決心をしたのだろうと推測した。

「鈴木家の両親に知らせましょう。追いかけてもらいましょう」彼らよりも、鈴木家の人々がこのニュースを聞いたら、林夏美を捕まえたいと思うだろう。

「ふん、もう手配済みだ。それより、お前は一ヶ月経ったから、今日は検査に行くべきだ」他は些細なことで、彼のぽっちゃりくんの検査が大事だ。

「私の体の回復は順調よ」夏川清美は医者として、自分の体の回復状態をよく理解していた。

しかし結城陽祐はそう思わなかった。「専門は専門だ。もう医者の予約を入れておいた」

「じゃあ、いいわ」夏川清美は考えて、ちょうど子宮頸がん検診も受けようと思った。

「うん」と言いながら結城陽祐は立ち上がった。

夏川清美は不思議そうに彼を見た。「え？」

「術後の検査は私も必要じゃないのか？」結城陽祐は夏川清美の困惑を見て、不満げに尋ねた。

「いいわよ」夏川清美は笑った。

結城陽祐は不満そうに「おかしいか？」

「いいえ、可愛いわ」付き合えば付き合うほど、このツンデレな男性が可愛く感じられた。

結城陽祐は「……」可愛いとは何だ？男を可愛いと形容していいのか？

結城陽祐が不満を表そうとした時、傍らの携帯が鳴った。結城陽祐は見て取ると、夏川清美の方を見て「君に付き添えなさそうだ」

「大丈夫よ、どうせあなたの検査は私がもう終わらせたから」夏川清美はついにこのツンデレな人から本音を聞けて、からかうように答えた。

結城陽祐は恥ずかしそうに鼻を撫でて「健二、清美を病院に送ってくれ」

「はい、若旦那様」健二は入り口で命令を受けた。

夏川清美が去った後、結城陽祐は再び携帯を手に取り「信州市に着いたなら、逃がすな。警察側に通知しろ、我々は補助だけだ」

「承知しました」野村越は簡潔に答えた。

こちらで野村越が電話を切ったところで、野村黒澤の番号から電話がかかってきた。男は落ち着いた声で「話せ」