第384章 家を売って金を工面する

林夏美は狼狽していたものの、この数年間お嬢様としての威厳が身についており、鈴木家の人々は怒っていても彼女に手を出すことはできなかった。

特に末っ子のことが絡んでいたから。

でも、お金をどうやって工面すればいいの?どこからお金を持ってくるの?

林夏美は信じられなかった。「母は長年、あなたたちにたくさん渡してきたはずよ。お金がないわけないでしょう?」

「実家で家を建てて、こっちでも二軒買って、お金どころか来月のローンの支払いもどうしたらいいかわからないのよ!」服部真由美は不満げに言った。彼女は実家の家を建てるべきではなかったと分かっていた。あんなにお金を使って何の意味があるのか。

林夏美は不満そうに言った。「実家の家にそんなにお金がかかるわけないでしょう。この二軒の家だって合わせて1億2千万円程度じゃない。全額現金で買ったわけでもないのに、どうしてお金がないの?」

「実家の家だってお金がかかるのよ。3千万円以上かかったわ」と鈴木お母さんがつぶやいた。

「何ですって?」林夏美は激怒した。あんな田舎で家を建てるのに3千万円以上かけたって?皇居でも建てるつもりだったの?

しかし、信じられない訳にはいかなかった。服部真由美はとっくに不満を抱えていた。「私は実家の家をそんなに立派に建てる必要はないって言ったのに、あなたたちは聞く耳を持たなかった。今になって問題が起きてお金がないでしょう?」

「黙れ、お前に口を出す資格はない」と鈴木お父さんが叱りつけた。

「どうして私が話せないの?事実を言っているだけじゃない。私だって鈴木家に双子の息子を産んであげたのに、どうして私に発言権がないの?今はあなたの息子が刑務所に入っているのに、なぜ私が話せないの?」

「この売女め、息子が刑務所に入ったばかりなのに、調子に乗るつもりか。お前の顔に傷をつけてやる...」

「この老いぼれ、手を出したら即離婚して息子を連れて出て行くわよ!」

「やっぱりお前は不貞な女だ!」

「はっ、私が不貞?あなたの息子こそどんな人間よ。賭博に女遊び、何一つまともなことしてないじゃない。だからこそ頭金も払えないのよ!」

「この口の悪い女め、引き裂いてやる...」

バン!

林夏美は頭が痛くなり、テーブルの上の陶器のコップを二人の前に叩きつけた。