第383話 あなたたち母娘は人殺し（岡田桃花Aprilのために加筆）

信州市のある辺鄙な町。

町内で唯一、市街地の豪邸に匹敵する鈴木家の家で、鈴木お父さんは怒りのあまり携帯電話を投げ出しそうになった。

彼は、この娘が損な存在だと分かっていた。生んだ子供も、同じく損な存在だった。

傍らの服部真由美は鈴木お父さんの様子を見ながら、おずおずと言った。「お姉さんは本当に林社長と離婚するんでしょうか？そうでなければ、夏美ちゃんがなぜ家にお金を要求するんでしょう？あの金持ちたちは、何百万円も簡単に出せるはずなのに、どうして私たちの三十万円に目をつけるんでしょう？」

「政博の電話はまだつながらないのか？」鈴木お父さんは物静かで伝統的な人柄で、十数年間教師をしていたが、骨の髄まで非常に封建的だった。

「いいえ、お父さん、政博さんに何か本当に起きたんじゃないでしょうか？」服部真由美は心配そうに尋ねた。

「明日、信州市に行ってくる」しばらく沈黙した後、鈴木お父さんはようやく口を開いた。

服部真由美はそれを聞いて、「私も一緒に行きます」と言った。

鈴木お母さんは我慢できずに尋ねた。「末子さんは本当に林社長と離婚したの？そんなはずないわ。もし離婚したら、私たちはどうなるの？政博はどうなるの？」

「お母さん、お姉さんが林社長と離婚しても、お金に困ることはないわ。お姉さんの賢さなら、必ず財産の半分は分けてもらえるはずよ」服部真由美は羨ましさと嫉妬を込めて言った。

「でも、さっき夏美ちゃんがお金を要求してたじゃない？本当にお金があるなら、私たちに要求するはずないでしょう？末子さんは今月の生活費もまだ私たちに渡してないし、明くんと亮くんの住宅ローンは大丈夫なの？最初から家を小さく建てて、末子さんにもう少し出してもらって、全額支払っておけばよかったのに。今じゃ月に三、四百万円のローン、心配で仕方ないわ」鈴木お母さんは愚痴をこぼした。

服部真由美はそれを聞いて、「心配することないわ、お姉さんはお金持ちよ」と言った。

鈴木お母さんはそれを聞いて黙り込み、鈴木お父さんは高級タバコをぷかぷかと吸っていた。

鈴木家の新築の家は、数百平方メートルの敷地に三階建ての洋館で、内装は贅沢で豪華、成金臭さが漂っていた。

夜になると、町で最も目立つ存在となった。

……

ホテルにて。