病院を出ると、結城陽祐の気分は特別に良く、夏川清美の手を握りながら、周りの視線など気にせずに歩いていた。
むしろ夏川清美の方が少し恥ずかしがっていた。彼女は痩せたとはいえ、まだ太めではあったが、普段なら道を歩いていても特に異様な目で見られることはなかった。でも今は違う。
隣の男性は光を放つような存在で、彼が一人で歩くだけでも百パーセントの注目を集めるのに、今は彼女の手を握って歩いているのだから、まるで見せ物のようだった。
特にこの男性と比べると、彼女の太くて低い体型が際立ってしまい、周りの人々は「この太った女、お金持ちの家の人なのかな?」というような目で見ていた。
夏川清美は侮辱されたように感じた!
「不機嫌?」結城陽祐は隣の夏川清美の不機嫌さを敏感に感じ取り、優しく尋ねた。