第395章 狼性社長の追妻36計

結城邸。

今回はようやく邪魔されることなく、夏川清美と結城陽祐は無事に結城邸に戻った。

門を通り過ぎる時、担当の警備隊長が近づいてきて、「二少様、お荷物が届いております。すでに本邸まで運ばせていただきました」と告げた。

結城陽祐は不思議そうに「荷物?」と尋ねた。

「はい」訓練された警備員は恭しく答えた。

「確認は?」結城陽祐は頷きながらも、誰が荷物を送ってきたのか不思議に思った。

「スキャン済みです。本のようですが、危険物はございません」警備隊長が答えた。

結城陽祐は頷いたが、心の中ではますます不思議に思った。誰が本を送ってきたのだろう?

夏川清美は疑問そうに結城陽祐を見て、「何か問題でも?」と尋ねた。

「帰って確認してみよう」結城陽祐も何が届いたのか分からなかった。

大輔さんと一緒に車を停めに行き、邪魔にならないようにしていた健二は、この出来事を知らなかった。

二人は本邸に戻ると、結城お爺さんと藤堂さん、雲さんが中庭にいた。

寝返りができるようになってから、木村久美ちゃんはますます落ち着きがなくなり、部屋にほとんど居られなくなった。這い這いの兆しも見え始めたので、暇な時は中庭の柔らかい毛布の上に置かれ、自由に過ごさせていた。

夏川清美は午前中ずっと赤ちゃんに会えていなかったので、木村久美を見るなり急いで近寄った。小さな木村久美もママを見て嬉しそうで、あーあーと外に這おうとするが、なかなか進めず、いやいやと焦っていた。夏川清美は笑いながら急いている赤ちゃんを抱き上げ、「久美はママに会いたかった?」と尋ねた。

「あーあー」夏川清美に返ってきたのは、あーあーという声だった。

これは最近覚えた発音で、もうイヤイヤとは言わず、誰が何を言っても全部あーあーと返すようになっていた。

夏川清美は楽しそうに赤ちゃんの真似をした。

赤ちゃんは「あー」と一声返した。

母子二人はしばらくこんな会話を続けた。

結城陽祐は首を振りながら、「まるで鶏とアヒルの会話みたいだな」と言った。

夏川清美は不満そうに男を睨んで、そのまま木村久美と遊び続けた。

このとき結城お爺さんが突然近くにある段ボール箱を指さして、「陽祐、お前、なんでネットショッピングなんかしたんだ?何を買ったんだ?」と尋ねた。