第397章 二少は昏君の素質があるね!

藤堂さんは目を丸くして驚いた。先ほどは夏川清美をからかっただけだったのに、まさか本当に結城陽祐と何かあったとは!

「木村久美を返して」と夏川清美は恥ずかしそうに言った。

「ゆっくりね」藤堂さんは、木村久美を抱きかかえて歩き出す夏川清美を見て、後ろから声をかけた。

雲さんは状況が分からず、「清美ちゃんどうしたの?」と尋ねた。

「ははは、きっと木村久美に弟か妹ができるんでしょうね」と藤堂さんは楽しそうに笑った。

雲さんは一瞬驚いたが、すぐに理解して笑顔になった。「この二人がこんなに仲良くなるなんて、思いもしなかったわ」

「誰が想像できたでしょうね」藤堂さんも感慨深げに言った。最初は誰もこの二人を認めていなかった。天と地ほど違うと思われていたのに、結城陽祐が清美を大切にしているんだから。