第464章 私を追いかけたからには最後まで責任を取って

九月の夜、そよ風が吹き、優しく酔わせるような夜だった。

健二は腕を組んで、一メートル離れたところで棒のように直立不動に立っていた。全身から漂う鉄血の気配に、通行人は誰一人としてこちらを見ようとしなかった。

しかし、そんな男が今、内心ではプレーリードッグのように叫んでいた。

ああああ、キスした、キスした、ついにキスしたんだ!

陽祐さん、すごい!陽祐さん、かっこいい!

震源地にいた二人は九月の酔わせるような秋風に浸り、しばらくして夏川清美はようやく先ほどの目眩から我に返った。桃のような瞳には潤んだ水気が浮かび、声も少しかすれていた。「も...もういいですか?」

「ああ」結城陽祐は先ほどまで酒の勢いを借りて夏川清美をからかっていただけだったが、今になってこの酒の後味が本当に強かったのかもしれないと感じていた。頭に上り、全身が熱くなっていたが、本題を忘れずに夏川清美の異常に美しい瞳を見つめた。「僕を追いかけたからには最後まで責任を取ってもらうよ。これからは振り切ろうとしても簡単にはいかない。僕は割と伝統的な人間でね、付き合うなら結婚を前提に、結婚したら一生涯を共に。心の準備はできているかい?」