おじさんの技は熟練していて、すぐに美しいピンク色の綿菓子を作り、結城陽祐の手に渡した。
結城陽祐はそれを受け取り、夏川清美の前に差し出した。「清美……」
夏川清美は、絶世の美貌を持ちながら、綿菓子を持って自分を見つめる結城陽祐を見て、心がとろけそうになった。
まずい、こんなにイケメンだと、これからは怒ることもできなくなりそう。
「うん、私が太るのは気にならない?」夏川清美は綿菓子を受け取りながら、男性に向かってツンデレな様子で尋ねた。
「気にならないよ」結城陽祐は笑みを抑えきれない様子で、普段この女性が堂々として自信に満ちた姿を見ていたので、体型のことで悩むなんて思ってもみなかった。結局、彼女は天才女医とはいえ、こんな些細なことを気にする女の子なのだと今になって分かった。