第466章 これが恋の感覚なのね

九月の深夜、夏川清美は自分が燃え上がりそうになった。

月ヶ池山荘に戻ると、清美は結城陽祐のことも気にせず、車から降りるとすぐに部屋に小走りで戻り、熱いシャワーを浴び、着替えてようやく少し落ち着きを取り戻した。

髪を乾かし終わったところで携帯が光るのが見えた。陽祐さんからのメッセージで、「ダイニングに来て」とあった。

清美は少し考えてから、赤ちゃんの部屋の外に行って久美を見てみると、小さな子は雲さんと一緒にぐっすり眠っていたので、そっと階下に降りた。

もう十二時を過ぎており、屋敷の使用人たちは裏手の小さな建物に戻っていて、本館は夜の中で特別に静かだった。

清美がキッチンまで行かないうちに、魅惑的な香りが漂ってきた。目を大きく見開いて、彼が料理をしているの?

この考えが浮かんだ瞬間、清美はすぐに否定した。結城陽祐のような美しい若旦那が料理なんてするはずがない?