第480章 彼氏からメッセージが来ない理由は?

夏川清美はN回目に携帯を確認した後、ようやく結城陽祐が彼女にメッセージを送るはずがないと確信した。

そこで、恋愛の達人である藤井ちゃんに尋ねた。「もし彼氏が全然メッセージを送ってこないとしたら、それはどういう意味?」

少女は三つ編みを揺らして、「あなた...付き合ってるの?」

「え?ただ気になっただけよ、気になっただけ。」夏川清美は頬を赤らめ、慌てて振り向いて本を読むふりをした。心の中では本田崇がこの子に自分のことを話していないようで、なかなか分別があると思った。

しかし、こうなると他人に聞くこともできず、携帯を取り出してネット検索するしかなかった。彼氏が全然メッセージを送ってこない理由は?

様々な回答があったが、最も多かったのは、男性があなたを気にかけていない、心の中にあなたがいないというものだった。

夏川清美は一瞬にして気分が最悪になった。

そんな気分の悪い時、突然教室から歓声が上がり、顔を上げると加藤迅がいた。

昨夜の出来事で、夏川清美は加藤迅に対して新たな認識を持つようになった。以前の印象は覆され、代わりに警戒心が芽生えた。

今、彼が入ってくるのを見て、以前のような憂いや思いは消え、冷静な目で見つめた。ちょうどその時、加藤迅の視線も彼女に向けられた。

二人の視線が空中で交差し、夏川清美は淡々と加藤迅を見つめ、加藤迅は優しく微笑んで、それから皆の方を向いた。「来週は全国大学生医療技能大会です。我がクラスの皆さんは非常に積極的で、合計四組がエントリーしています。これから申込書を配りますので、確認して準備を始めてください。皆さんの活躍を期待しています。」

夏川清美はエントリーしておらず、興味もなかった。頭の中では、なぜ結城陽祐が自分にメッセージを送ってこないのかということばかり。彼らは付き合い始めたばかりで、まだ恋愛の真っ最中のはずなのに、なぜこんなに差があるのだろう!

夏川清美が恋愛で物思いにふけっているとき、突然教室で笑い声が響き、不思議に思って顔を上げると、みんなが彼女の方を見ていた。

正確には後ろの数席を見ていた。彼女は分からずに黒川花音に尋ねた。「何を笑ってるの?」

黒川花音は落胆した様子で彼女を見た。「大会に出ないって言ってたじゃない?」

「私、エントリーしたの?」夏川清美は問い返した。