岡田千明と鈴木真琴は医学の基礎知識を持っていたが、それは机上の空論に過ぎなかった。
しかも、西洋医学と比べて、漢方医学は手先の器用さがより重要だった。
薬材を見分けるだけでも二人には大変な課題だった。
今日は薬を見分けることを学ぶ日だった。
岡田千明と鈴木真琴は目の前に積まれた薬材を見つめていた。少なくとも百種類はあり、お爺さんがどこから集めてきたのかも分からなかった。二人とも頭が痛くなるほどだった。
しかも、見分けることは基本中の基本で、お爺さんはさらにこれらの薬物の外見的特徴、性質、そして薬効まで覚えることを要求した。
これはもう学習というより拷問だった。
カリッ、カリッ……
二人が必死に勉強している時、頭上からリンゴを噛む音が聞こえてきた。
岡田千明と鈴木真琴が同時に顔を上げると、夏川清美が気ままに座って、手にしたリンゴが半分ほど食べられているのが見えた。
楽しそうに食べていた夏川清美は二人の視線を感じ、不思議そうに見返した。「どうしたの?」
「夏川お爺さんは、覚えられないと食事禁止って言ってたじゃない?」岡田千明は唇を舐めながら、夏川清美の手にあるリンゴが特別美味しそうに見えた。
「え?ああ、私は覚えたわよ」夏川清美は一瞬驚いて、すぐに答えた。
今度は鈴木真琴も驚いた。岡田千明は全く信じられない様子で、「数えたら少なくとも百種類はあるのに、全部覚えたって?」
「そうよ、これらの薬草は基本だから、簡単に覚えられるわ」夏川清美は言いながら、またカリッと一口かじった。
「簡単?清美、どうしてそんなこと言えるの?人間じゃないわ!」岡田千明は頭が爆発しそうだと感じていたのに、林夏美は簡単だと言う。
夏川清美は少し困った様子だった。でも本当に簡単じゃない?彼女は三歳の時にはほとんど全部覚えていたのだから。
「これは何?」岡田千明は信じられないという様子で尋ねた。
夏川清美は一目見て、「キキョウよ。性質は平、味は苦い。主な効能は肺を潤し、喉を潤し、痰を取り、膿を排出すること。咳と痰が多い、胸が詰まる、喉の痛み、気管支炎、胸膜炎などに効果があって……」
夏川清美は一旦言葉を切って、「この根は花が咲いていないわ。普段見かけるキキョウは薄いピンク色が多いけど、薬用には青い花が多くて、とても綺麗なの」
岡田千明と鈴木真琴は「……」