第509章 恋人への甘い言葉

夏川清美は男性のこの言葉を聞いて、眉目が緩んだ。

突然、自分も恋愛の才能があるなと感じた。

うん、それに、恋人に甘い言葉を囁くのもそれほど難しくないんだ。

特に隣の男性の柔らかな口元を見ると、思いつく限りの言葉を一気に伝えたくなったが、普段から蓄えていなかったため、一時的に言葉に窮して、表白で隣の男性を気絶させたい衝動を抑えるしかなかった。

結城陽祐は隣の人の感情を感じ取り、口角の笑みを広げた。「決勝進出がそんなに嬉しい?」

「違うの、あなたを見て嬉しいの」夏川清美は躊躇なく答えた。

結城陽祐は足を止め、彼女を抱きしめた。「今日は蜜を塗ってきたの?」

「ううん」ただ嬉しかった。教室棟を出た瞬間に彼を見た時の喜び、言葉では表現できない。彼が耐えられないと心配しなければ、その瞬間本当に彼の胸に飛び込みたかった。