第522話 男女の愛情は本当に脆いものね!

鈴木真琴はネット上の世論の動向を見つめていたとき、突然夏川清美からメッセージが届き、手が震えた。もう逃げられないと悟った。

夏川清美のメッセージをしばらく見つめた後、気落ちした様子で「私は陽祐さんの部下です」と返信した。結城陽祐の人間ではないのに、佐藤清美がそう聞くと誤解を招きかねない。

返信を見た夏川清美は、以前岡田千明が言っていたことを思い出した。鈴木真琴は防衛医科大学から転校してきたということは、全てあの男の手配だったのか?

「分かりました」昨日夏川清美は既に察していたが、今日は鈴木真琴に確認しただけだった。

鈴木真琴は夏川清美の言葉を見て、ため息をつき「若奥様、申し訳ありません。昨日はあなたをお守りできず、全て私の不手際でした」

「佐藤清美と呼んでください。それに昨日のような状況では、他の誰が居ても同じ結果になったでしょう。責めるなら余計な事に首を突っ込んだ私を責めるべきです。あなたは私に謝る必要もないし、自責する必要もありません。分かりますか?それに、あなたは結城陽祐の部下で、私の部下ではないのですから、私たちは友達です」夏川清美は非常に真剣に答えた。