「久美ちゃん、すごいわ!」夏川清美の目から憂いの色が消え、前に這っている小さな子に向かって拳を上げて応援した。
小さな子は周りの雰囲気を感じ取り、励まされたかのように、夏川清美の方へ這い続けた。
とはいえ、這うというよりは、這いずり回っているような感じだった。
一方、久美より4ヶ月ほど年上のすみちゃんは、大人たちの笑い声を聞いて、より元気よく這い、最後にはカタツムリのような久美の前で止まり、「あー…」と声を出した。
久美はそれを聞くと、再び地面に寝そべり、顔を石田墨の方に向けて、「あーあー!」
「あーあー…」
「あーあーあー!」
「…」
二人の小さな子は会話をしているかのように、一方が「あー」と言えば、もう一方が「あーあー」と返し、そうやって話し合い、どんどん楽しくなっていった。