第578章 二少から電話?

立花雅は子育ての大変さを知らなかった。

雲さんと二少が子育てをしているのを見ていた時は、とても簡単そうだった。授乳、おむつ替え、着替え……

隣の佐藤清美がそれらをしているのを見ても、とても簡単そうに見えた。

でも、自分の番になると、本当に大変だった。

木村久美は夜中に一度目を覚まして、ママを求めて泣き出した。彼女は1時間以上かけてようやく寝かしつけることができた。久美が寝ついた時には、彼女は完全に疲れ果て、全身に薄い汗をかいていた。やっと横になれたと思ったら、まだ少ししか眠れないうちに、もう夜が明けていた。

眠くてぼんやりしながら目を開けると、子供はどこに?

急に体を起こし、慌てて子供を探すと、久美が布団から這い出して、ベッドの端を掴んで歩いているところだった。今にも落ちそうだった。

立花雅は飛びつくように小さな子を引き戻して布団に押し込んだ。それでもまだ胸がドキドキして、急いで使用人にベッドの周りを囲むように頼んだ。

それが終わると、立花雅の体にはまた汗が浮かんでいた。ベッドは低かったし、床には厚いカーペットが敷いてあったが、万が一を考えると怖かった。

久美を見下ろすと、小さな子は先ほどの危険な状況を全く理解していない様子で、彼女の膝の上で自分の足の指をしっかりと噛んでいた。

立花雅はため息をつき、小さな子を布団で包み、絵本とおもちゃを数個与え、使用人に見ていてもらって、やっと身支度をする時間が取れた。

簡単に身支度を整えると、ベッドの上の小さな子が不満そうにあーあーあーと人を呼ぶ声が聞こえた。

立花雅は小走りで駆けつけ、使用人の困った様子を見た。

これも失敗だった。神木彰が今回雇った使用人たちは、全て慎重に選ばれたプロで、武力は十分で、部屋の掃除もなんとかできたが、子供の扱いには慣れていなかった。

軽くため息をつき、立花雅は前に出て、「くまちゃん、優子叔母さんが服を着せてあげるわ。服を着たら遊びに行きましょうね。」