夏川清美は深い眠りについていて、目が覚めたときにはすでに夕方になっていた。
前回の催眠治療以来、夏川清美は4日4晩まともに眠れていなかった。原因不明の不安に苛まれ、極度の疲労を感じながらも眠れない状態が続いていた。
今日もそうだろうと思っていたが、結城陽祐の腕の中で、こんなにも深い眠りにつけるとは思わなかった。悪夢も見ず、あの断片的な記憶に苦しめられることもなかった。
夏川清美は少し戸惑いを感じながら、なぜ結城陽祐の腕の中でこんなにも安心して眠れたのか理解できなかった。
まるで彼の腕の中が自分の居場所であるかのように安心できた。
そして、どこか不思議な既視感があった。まるで以前にも彼の腕の中で、このように抱きしめられていたかのように。
その瞬間、拒絶する気持ちさえ湧かなかった。