第611話 これって告白なの?

「大丈夫よ」夏川清美は一言返した。今の状況では、耐えるしか方法がなかった。

結城陽祐は心配で仕方がなく、「医者を呼んだ方がいいんじゃない?」

「医者を呼んでも鎮痛剤を飲むだけよ。意味ないわ。あと二、三日我慢すれば症状は軽くなるはず」夏川清美は医者だったので、自分の体調をよく理解していた。しかも、彼女は五感が人より敏感で、痛みも人の二倍だった。

「まだ二、三日も我慢しなきゃいけないの?」結城陽祐は一瞬頭が冴え、夏川清美の苦しそうな様子を見て、自責の念に駆られた。「あの時、止めるべきだった」

「私たちの過去のことを話してくれない?」夏川清美は結城陽祐の口から二人の物語を聞きたかった。

結城陽祐は少し驚いて、「私たちの過去のこと?」

夏川清美は頷いた。「私たちが愛し合っていたって言ってたでしょう?どんな風に愛し合ってたの?」