第650章 これが次男坊の太った嫁？

小林夏希が駆けつけたとき、野村咲良は惨めにもスーツケースの上に座っていた。

「お嬢様、また何があったの？」小林夏希は野村咲良の様子を見て驚いて声を上げ、すぐに声を落として「家主に追い出されたの？」

「そんなに分かりやすい？」野村咲良は小さな顔をキャップの下に隠し、元気なく答えた。

小林夏希は「自分で分かるでしょう」という表情を浮かべた。

野村咲良はますます意気消沈して「二つのお願いがあるの。一つ目は今夜、あなたの家に泊めてもらえない？二つ目は手っ取り早く稼げる仕事を紹介してもらえない？」

「それは...一つ目は無理かも。私、ルームシェアしてるから、狭くて寝る場所もないの。二つ目は...実はあるけど、あなたがやりたいかどうか...」小林夏希は困った様子で答えた。

「どんな仕事？」野村咲良は目を輝かせ、一つ目の件は完全に無視した。