第651話 ぽっちゃりくんの噂好きな目

「ふん」結城陽祐は軽く咳払いをして、夏川清美の手を引いて座らせた。

結城蓮はにやりと笑って、足で岡田桃花を軽く蹴った。「つまり、陽祐さんが日本での助けに感謝して、私に贈り物を届けさせたってわけさ」

贈り物が何かは言うまでもない。

しかし結城蓮は結城陽祐をからかうのに容赦がなかった。

岡田桃花は軽く笑って、結城陽祐を見た。「二少の感謝は本当に誠意がありますね」

「ああ、気に入ってくれたらいい」結城陽祐は気にせず肩をすくめ、最後にこう付け加えた。「蓮こさんのアイデアのおかげだよ」

得意げだった結城蓮は「……」いつ自分がアイデアを出したというのか?

この人は本当に罠を仕掛けるのが上手い。案の定、次の瞬間、岡田桃花の矛先は再び彼に向けられた。

岡田桃花は後ろに寄りかかり、結城蓮に向かってグラスを揺らしながら言った。「最近、しつこく付きまとう小さな記者がいて本当に迷惑なんだ。どうしようかな?ああ、そうそう。エンタメ週刊誌で陽祐さんと林さんの恋愛を物語みたいに書いた記者さ。ふむ、なかなか可愛いじゃないか。私の好みだ。思い切って手に入れちゃおうかな。どう思う?」