結城陽祐は寝室に入るとすぐに、部屋の変化を感じ取った。
都林市から戻ってきてから、佐藤清美は彼の部屋に引っ越してきた。以前は彼だけのものだった部屋のあちこちに、清美の痕跡が残されていた。
しかし今、清美の持ち物は全て持ち去られるか片付けられ、クローゼットは半分空になり、洗面台には彼のスキンケア用品だけが残されていた。
清美が引っ越してくる前は、彼の部屋はこんな風だった。彼女が去った今、元の状態に戻っただけなのに、どうしても慣れることができなかった。
二人のものだったものが、突然彼一人のものになってしまい、まるで心の中の何かが無理やり半分削ぎ落とされたかのように、不安定だった足取りがさらに危うくなった。
結城陽祐は部屋の中を無意識に歩き回り、長年住んでいたこの部屋が初めて広すぎると感じた。この二日間、彼が帰ってこなかった間、清美が一人でこんな広い部屋にいて、今の彼と同じような気持ちだったのだろうかと考えずにはいられなかった。