第755章 夏川清美が疑念を抱く

夏川清美は飛行機から降りると、携帯の電源を入れた途端、結城陽祐からの2つのメッセージが届いていた。

1つ目は彼女が到着したかどうか、2つ目は彼のことをあまり思わないでほしいというものだった。

清美はメッセージを読み終えると、唇の端をかすかに上げ、少し考えてから「わかりました、思いません」と返信した。

彼女がその男を理解している限り、試合に集中してほしいというのは本心だろうが、彼のことをあまり思わないでほしいというのは明らかに嘘だった。

メッセージを送ると、清美はチームメイトと一緒に車に乗り込んだ。

遠山正の他にも、結城陽祐は密かに多くの人を彼女の保護のために派遣しており、一行は大勢で空港を後にした。

その後、試合で忙しくなったため、清美は結城陽祐のことを気にする時間も余裕もなく、試合に全力を注いだ。