第764章 結城家の男は毒があるのか!

夏川清美が車から降りると、藤原悠真はすでに彼女を待っていた。

「中に入りましょう」挨拶を済ませると、藤原悠真は夏川清美に遠慮することなく、直接彼女を裁判所に連れて行った。一連の書類を提出した後でようやく人を迎えに行くことが許可されたが、途中で藤原悠真が突然立ち止まった。

夏川清美は不思議に思い、「どうしたの?」

「何でもない」藤原悠真は答えて歩き続けた。

夏川清美はそれ以上考えず、藤原悠真と司法関係者の後ろについて行った。

拘留場所に入ると、夏川清美は無意識に手にあるバッグを握りしめた。すると中から男性のやや不満そうな声が聞こえてきた。「俺の服は?」

藤原悠真は横に寄り、「ああ、ここだよ」

バッグを持っている夏川清美は「……」

数日間同じ服を着て、藤原悠真に迎えに来てもらい、シャワーを浴びて服を着替えた後、夏川清美を法律事務所に呼んで小さな女性にサプライズを与えようと思っていた結城陽祐は「……」