76- まずは食べ切って!

「例えば?」マリッサの声はラファエルの胸に押し付けられて聞こえづらかった。

「例えば...君の柔らかい体が僕に触れた感触を忘れられないんだ」

マリッサは自分が氷の塊になったような気がした。

彼に触れた柔らかい体?

反応がないのを見て、彼は前に身を乗り出し、彼女を少し後ろに押しやって優しく唇にキスをした。

「同意なしでしてしまってごめん」彼の声はかすかに聞こえる程度だった。「でも、こうして...こんなに近くにいると、君の唇が誘惑してくるんだ」

彼の目が彼女の唇に落ちた。「もう一度キスしてもいい?」と彼は尋ねた。マリッサは唇が膠で固まったかのように、ほとんど話すことができなかった。

「教えて、マリッサ。キスしてもいい?」彼は唇を寄せながら言った。「さっきのような優しいキスじゃなくて...あれも良かったけど...」

「ラ...ラファエル...」彼女の目は閉じかけていた。彼が低くかすれた声で話すその様子に、彼女の中心部は蜜で濡れそぼっていた。

「ん?」彼が鼻を彼女の鼻にくっつけるのを感じた。「答えて。いいかな?」

「う...うん...」マリッサは荒い息の間に言った。「いいわ...キ...キスして...」

そう。彼女は望んでいた。彼の触れ合いを求めていた。

彼は同意を求めていたけれど...

彼の熱い息が顔に...頬に当たるのを感じて、目を閉じなければならなかった。そこに彼の濡れた唇を感じた。

「頬へのキスの同意?それとも唇?」彼は尋ねた。「教えて、マリッサ」

彼女は'両方'と言いたかった。

腰から彼の腕を離さないでと懇願したかった。

「待ってるよ」彼女は唇の端に彼の舌先を感じ、うめき声を抑えた。

「アリエル!アレックス!見て!パパがママにキスしてる!」アビゲイルは大声で叫んだ。その声は大きすぎて、兄弟たちが走ってきただけでなく、死んだように眠っていたソフィーも充血した目で出てきた。

マリッサとラファエルはその場で飛び上がり、マリッサは髪の根元まで赤くなるのを感じた。

「何があったの?」ソフィアは胸に手を当てて尋ねた。おそらく激しい心拍を抑えようとしていたのだろう。

「何でもない!」ラファエルはため息をついた。「何かが起ころうとしていただけだ」