334- 彼の心の欠片

マリッサが目を覚ましたのは午前10時を過ぎていた。こんなに遅くまで寝ることはめったになかったが、今日は例外のようだった。

彼女の手は本能的に横を探ったが、そこには空っぽの空間があるだけだった。

「ラファエル!」鋭く息を吸い込みながら、彼女は起き上がって周りを見回した。

ラファエルはどこ?

寝間着の襟を整えながら、彼女はベッドから降り、目をこすった。伸びをしながら、部屋のギャラリーへのドアが少し開いていることに気付いた。

好奇心から、彼女は足音を立てずに近づき、隙間から覗いた。磨き上げられた木の床の上で、ラファエルは片手だけでプランクのポーズを取っていた。

彼は緩めのショートパンツだけを身につけており、裸の背中には汗の滴が浮かんでいた。彼の体は非常に引き締まっていて、マリッサは出て行ってその硬さを手で確かめたくなった。