350- ただの書類

ガブリエルは立ち上がる時間も惜しんで、ニーナを木の陰に引っ張り込んだ。年老いた庭師は、誰かがいるのか、それとも気のせいなのか、目を細めて確認していた。

ガブリエルとニーナは、庭師が立ち去るのを待ちながら息を殺していた。

「誰かいるのか?」老庭師は暗闇の中で弱々しい声で呼びかけたが、返ってきたのは風の音だけだった。「年を取りすぎて、何も聞こえなくなってきたな」

彼はそうつぶやきながら立ち去り、二人の恋人たちは笑いを堪えた。

「一瞬、シェーンかと思ったわ」ニーナは彼の胸に額を寄せながら言った。彼は優しい笑顔で彼女の頭を見つめた。「彼を恐れるのはもうやめて。今は僕と一緒だから」

彼の低い声が危うく彼女の耳元で響き、そのときニーナは二人がどれほど近くに立っているかを実感した。

彼女が身を引こうとすると、ガブリエルはそれを許さなかった。「止まって!」という命令に彼女は驚いた。「今は僕たちは婚約者同士なんだ」

彼は今や彼女の目を見つめており、ニーナはその視線から逃れることができなかった。彼はとても格好良くて美しく、そして今や彼女の婚約者だった。

「私たち...私...」彼女は唇を舐めた。「ここにいるのは良くないわ。私たち...」

「私たち...何?」彼は顔を彼女に近づけながら尋ねた。

「私たち...見つかっちゃうわ!」明らかな理由で、ニーナは息を切らし、太ももを強く閉じたくなった。

「それがどうした!」彼は声を荒げた。しかしその怒りは彼女に向けられたものではなく、彼女の近さによって引き起こされる感情に対するものだった。

ニーナの胸は上下に動き、血管を流れる熱を感じることができた。

突然、ガブリエルの手が彼女の半開きのローブに入り込み、その豊かさに触れた。ニーナの目が上を向き、唇から喘ぎ声が漏れた。「ガブリエル!」

「愛しい人!」彼は彼女を引き寄せ、自身の硬さを感じさせた。

「何をしているの?」ガブリエルは答えることができなかった。すでに彼の唇が彼女の唇に触れ、彼女の顔の隅々まで味わっていたからだ。

彼の手は巧みに彼女のローブを脱がせていった。その下には、ブラやパンティーもつけていないシルクのキャミソールだけがあった。

その後数分間、同じニームの木の下で、二人の息遣い、喘ぎ声、うめき声が響いた。