357- 心理戦

シェーンがニーナに触れてから7年が経っていた。彼が近づいてくるのを待ち続けていたが、彼は一向に動く気配を見せなかった。

一度、彼女は彼の飲み物に睡眠薬を混ぜて、自分のベッドで寝かせようとしたが、ボディーガードが間に合って彼を自室に連れ戻してしまった。

この出来事にニーナは相当イライラした。妻から身を守るためにボディーガードを雇う男がいるなんて想像もできなかった。

しかしシェーンは約束を守り、彼女に触れることも、愛を交わすこともしなかったので、ニーナは諦めた。

彼女は浮気を始めた。シェーンの唯一の条件は、秘密を守ることと妊娠しないことだった。もしこのルールを破れば、シンクレア夫人の権利を失うことになる。

ニーナは長い間欲求を抑えることができなかったので、同じゲームをすることにした。子供が欲しかったが、子作りにはシェーンの参加が必要だった。彼女はその考えを完全に諦めた。

この7年間、ガブリエルも様々な機会に彼女に近づこうとしていた。ニーナはハンサムな男、醜い男、金持ち、近所の男と寝たが、ガブリエルが再びニーナのベッドに戻ることはなかった。

どのパーティーでも、どの集まりでも、彼は常に彼女を追いかけていた。ただ話を聞いて欲しかっただけだが、ニーナは彼に一切注意を払わなかった。まるで彼が透明人間になったかのように振る舞った。

ナイラは変わらなかった。

パーティーで会うたびに礼儀正しく挨拶を交わした。ナイラは夫がニーナに対して露骨に惚れ込んでいくのを見ていたが、問題にすることはなかった。

ニーナはついにガブリエルのゲームに嫌気がさした。彼女はこの男を信用したくなかった。心を託した男は、もう彼女に興味を持っていなかった。

社会の目には、彼女は依然としてシェーンの妻だったが、彼は彼女を愛していなかった。

シェーンが彼女を同伴者として連れて行かなければならないパーティーでも、彼は一人で行くことが多かった。他のビジネスライバルの噂など気にも留めなかった。

ニーナも招待されたパーティーがあり、そこではシェーンは彼女を連れて行かざるを得なかった。

シャンパン色のドレスを着て、ニーナはシェーンの隣で会場に入った。皆が温かく迎えてくれ、誰も彼女のイベント不参加について質問しようとはしなかった。