この状況に川瀬社長は完全に呆然としてしまった。
自分を探している?
でも、まだ通報していないのに!
「私を探しているんですか?でも、まだ連絡していないはずですが」川瀬社長は思わず言った。
それを聞いて、調査員は軽く笑った。「お子様の件は、もうかなり大きな問題になっています。あなたからの連絡を待っていたら、いつになることやら」
「ちょっと待ってください、それはどういう意味ですか?」
川瀬社長は突然、違和感を覚えた。
柴田の母も眉をひそめ、無意識に灰原優歌の方を見た。彼女はまだ面白そうに傍観している様子だった。
「川瀬さん、去年のお子様の件で、署に届け出があったのを覚えていますか?」
調査員は嘲笑を含んだ目つきで言った。「あの時は、お子様の証拠が見つかりませんでした。しかし今回は、お子様が学校でいじめを行っている動画が、学校の掲示板で広まっています。