第87章 あの子は同意したの?

しかし、ずっとそうだった。

柴田裕香が欲しがるものは、柴田裕也がいつも手に入れて、彼女を喜ばせていた。灰原優歌にも同じものを用意していたが、結局のところ、灰原優歌との関係が一番薄かったのは柴田裕也だった。

結局、灰原優歌は家に2年以上住んでいたが、柴田裕也とは2回しか会っていなかった。

「じゃあ、今すぐお兄ちゃんに聞いてみる。空港に着くのはいつかって。私が迎えに行くわ!」

柴田裕香は甘く笑った。

彼女が公の場で柴田裕也を出迎えれば、柴田裕也の身分が明らかになった後も、みんなは柴田家で一番寵愛されているのは柴田裕香だと思い続けるはずだ!

しばらくして。

柴田裕香は柴田裕也にメッセージを送った。

【お兄ちゃん、私が迎えに行ってもいい?話したいことがあるの[泣]】

メッセージを送ったものの、柴田裕香は柴田裕也からの返信を受け取れず、忙しいのだろうと思った。