佐藤知行が屈辱的な様子を見て、男子は輪ゴムを投げ捨てた。
「小松志!」
佐藤知行は怒りのツボに触れたかのように、凶悪な目つきで彼を見つめ、体中が震えていた。
「こんなもの持っていても、お前には何の意味もないだろう。それに、もう一度聞くぞ、金はあるのか?」
小松志は佐藤知行の襟を掴み、陽気に笑いながら、残酷な行為を続けていた。
突然。
横から澄んだ声が響いた。
「輪ゴム、結構可愛いじゃない」
灰原優歌は輪ゴムを手に取り、眺めていた。
小松志は声を聞いて思わず振り向き、灰原優歌の顔を見た途端、目に執着の色が浮かんだ。
しかしすぐに、彼は笑顔を作り、気前よさそうに、「気に入った?じゃあ、あげるよ」
灰原優歌は佐藤知行の側に歩み寄り、愉快そうに冗談を言った。「佐藤、私にくれるの?」