灰原優歌はその名前を見て見覚えがあると感じたが、それでも友達追加を承認した。
数秒が過ぎた。
伊藤西紀からのメッセージが次々と届いた。
【スティーブンおじさんが気に入ったプロジェクト、あなたが完成させたんですか??】
【先生、私、業界であなたの噂を聞いたことがないような...】
雲城大学の寮で、ペンを噛みながらスマホを見つめる少女は、清楚で可愛らしい容姿だが、少し緊張した表情を浮かべていた。
こんなに凄い人なら、きっと多くの人が指導を受けたがっているはず。
次の瞬間。
彼女のスマホが鳴り、灰原優歌からの返信を見た。
【うん。】
そっけない返事、さすが大物の風格だわ...
伊藤西紀は我に返り、すぐにまた打ち始めた。
【それで...先生は何人生徒がいますか?私を指導していただけますか?】