第106章 性別にこだわりすぎてはいけない

なんとなく。

一番近くにいた女子生徒は、灰原優歌の美しい目元と反抗的な様子を見て、思わず胸が高鳴った。

以前から噂になっていた。灰原優歌が学校の制服シャツを着て、ネクタイを緩く締めている姿が、かっこよくてセクシーだと。

でも今、彼女が片手でネクタイを外して相手の顔に投げつける様子を目の当たりにして、本当にやられたと感じた。

最高すぎる!!

永徳高校全体で、灰原優歌は初めて、ネクタイをしていても特別なオーラを放つ女子生徒だった。

ただし。

これも数年前の男子生徒たちのおかげだ。

以前の永徳高校では、男子はネクタイ、女子はリボンだった。

毎年、男子がピンクのリボンを奪って着けるという不格好な事態が続き、数年前から男女ともネクタイに統一されることになった……

灰原優歌の冷たい眼差しを見て、さっきまで意地悪な口調で話していた男子生徒は、急に黙り込んでしまった。