「お兄さんは、私のおばあちゃんがどこに住んでいるか知ってる?」
灰原優歌は林建己がどんな人間か知っていた。もちろん、林建己が老婦人の面倒を properly 見るはずがないことも分かっていた。
「おばあさんの住んでいる場所は治安があまり良くないんだ。今度誰かに連れて行ってもらおう」
「うん」灰原優歌は頷いた。
彼女にもわかっていた。この件は急いでも仕方がないということを。
……
寝室の中。
灰原優歌は手の中の薬剤を見つめ、深く考え込んだ。
以前、注射薬を使用している人を見たことがあった。大抵は症状の緩和か、ある種の病状を抑制するためだった。
灰原優歌はスティーブンにメッセージを送った。
【Y.G.:スティーブン、お願いしたいことがあるんだけど、いい?】
すぐにスティーブンから返信が来た。