第152章 どんな神様レベルの大物がやったこと?

柴田の母はまた言った。「もう行ってしまったわ。

柴田家なんて、彼女にとって何の意味もないのよ。おじい様に会いに来てくれただけでも、おじい様の福分だわ」

「母さん!」

柴田裕也と柴田浪は目を冷たくし、ほぼ同時に遮った。

母の言葉が皮肉に満ちていることは、誰の耳にも明らかだった。

まるで全員に、灰原優歌が親不孝な白眼の狼だと告げているようなものだった。

「金井様、実は優歌は……」

柴田裕也が説明しようとしたが、金井雅守に遮られてしまった。

彼は冷笑して言った。「彼女がいるのは、確かに柴田家の福分だ」

その瞬間。

全員が沈黙し、金井雅守の言葉が柴田の母を牽制するためだったのではないかと疑った。

しかし金井様は有名な高慢な性格で、近寄りがたい人物なのに、なぜ特別に灰原優歌を庇うのだろうか!?

その後、皆が不思議に思い、さらに質問しようとした時、傍らの院長が突然割り込んできた。

「金井先生?!昨日柴田大旦那を危険な目に遭わせた者がまた来ているんです。柴田大旦那を助けていただけませんか?」

院長は切迫した口調で、心の中では金井雅守が承諾してくれるかどうか不安だった。

しかし予想外にも、金井雅守は隣にいた若者を引っ張り、病室のドアを開けて中に押し込んだ。

「このバカ者、柴田おじい様に何かあったら、荷物をまとめてお前の大好きなマーカスのところへ行くことになるぞ!」

若者:「??!」

灰原優歌の周りにいるあの大物を引き込むために、この老人は本当に手段を選ばないな。

知らない人が見たら、柴田おじい様がこの老人の義兄弟だと思うだろう!

若者は不満げだったが、仕方なく近くのオフィスに向かい、侵入者がいないかチェックを始めた。

しかし数分後、彼はヘッドホンを投げ捨てた。

「このセキュリティシステム、もう俺たちの研究所のシステムより優れているじゃないか。誰が侵入できるってんだ!!?」

若者は怒りを抑えきれなかった。

こんなシステムで、よく被害者面ができるものだ??!

「何だって?」

金井雅守は一瞬驚いたが、すぐに灰原優歌を助けているあの人のことを思い出した。

また'彼'か……

金井雅守の目に暗い色が浮かび、引き抜きたいという衝動がますます強くなった。

こんな優秀な人材を、マーカスのような老いぼれに渡すわけにはいかない!?