第204章 灰原様が後ろ盾になる

その時。

全員が無意識のうちに吉田麻奈未の視線を追い、一瞬にして、その目に驚きの色が浮かんだ。

近づいてきた少女は黒髪に白い肌、Vネックのスリムな赤いドレスを着て、腰を締め、極上のセクシーさを醸し出していた。

魂を奪うような瞳は、笑みを浮かべているものの、その笑みは目元まで届かず、どこか慵懶な色気を漂わせていた。

一体どこの令嬢なのか、こんな美貌が本当に存在するなんて??!

その時。

柴田裕香の目に強い嫉妬の色が浮かび、瞳を伏せた。

この二人が知り合いだなんて!!?

しばらくして。

柴田裕香は笑いながら言った。「吉田さん、会場で知り合った友達って、彼女だけじゃないでしょう?」

吉田麻奈未は思わず柴田裕香を見つめ、その瞳には不穏な色が漂っていた。

この令嬢は、どこからそんな優越感が湧いてくるの?