第218話 巨額の特許料

佐藤知行は羨ましそうな表情で推測した。「百四十五点？百四十六点？？」

土屋遥が答えないのを見て、佐藤知行は自分の推測がまだ低すぎると思い、ますます感心した様子だった。

まさか、土屋兄さんが隠れた学業の神様だったなんて！！！

その時。

灰原優歌は偶然横を見て、はっきりと書かれた「68」という数字を見た。

すると、土屋遥は隣から軽い笑い声が聞こえた。まるで我慢できなかったかのように。

「……」

土屋遥は無表情で灰原優歌を見つめ、最後に歯を食いしばって言った。「絶対採点ミスだ！」

自分はローシェルで育ったのに、こんな低い点数なんてありえない！？？

まさか灰原優歌より低いなんて！！？

「土屋兄さん？」

佐藤知行が聞こうとする前に、土屋遥に意地悪く遮られた。

「黙れ！」

「……」

佐藤知行は最初は訳が分からなかったが、土屋遥のテスト用紙に書かれた「68」を見てようやく理解した。

しばらく沈黙した後、佐藤知行は自分の「66」点のテスト用紙を静かにしまい込んだ。土屋遥を刺激しないように。

そんな時、珍しく灰原優歌が同情の色を見せ、慰めるように言った。「でも合計点は百点超えてるからいいじゃない」

「……」土屋遥は本当に罵りたい気分だった。

……

1組。

「裕香、あなた何者？？また学年2位！！！」

女子生徒は興奮を抑えられなかった。

「運が良かっただけよ」

柴田裕香は微笑んで、森谷美貴が1組に入ってきた時になってようやく目を輝かせた。

「裕香、さっき職員室で先生たちがあなたのことを褒めてたわよ。また2位で、文系では1位だって。」

森谷美貴は冗談めかして言った。「おごってくれるべきじゃない？」

「テストのたびに私から搾取しようとするんだから！」柴田裕香は可愛らしく文句を言った。

「裕香がそれだけ凄いからでしょ」

ここまで話して、森谷美貴は突然さっき職員室で見た灰原優歌の成績を思い出し、目に嘲笑の色が浮かんだ。「ある人みたいに、どうしようもないダメな人とは違うわね」

「美貴、その灰原優歌のことでしょ？」

柴田裕香はクラスでも女子に人気があり、いつも彼女の周りにいる女子たちは当然灰原優歌のことが好きではなかった。

特に先日の掲示板での校内美人コンテストで、灰原優歌が圧倒的な票数で1位を獲得したことがあってから。