第217章 第1回月次試験の成績

「なんでもないよ」

柴田裕也と吉田東雄は何事もなかったかのように装った。

吉田麻奈未はその様子を見て、柴田裕也と吉田東雄の仲が良いことを一目で見抜いた。

「じゃあ、先に帰るわ。まだ少し終わってないことがあるから」灰原優歌はこういう場所に長居するのが好きではなかった。

「じゃあ、兄さんが送るよ」

柴田裕也は思わず言った。

「いいえ、後で運転手が迎えに来るから」

他人から見れば、灰原優歌の態度は普通だったが、柴田裕也には優歌の態度がまだ冷たいことがはっきりと分かった。

柴田裕也は目を暗くして、「じゃあ...優歌、帰ったら早く休んでね」

灰原優歌は彼を見て、「あなたもね」

その後。

灰原優歌は土屋大夫人に挨拶をして、立ち去った。

そのとき、柴田裕也は嬉しそうな表情で、目が輝き、口角が抑えきれないほど上がっていた。