「絶対に、どこかで見たことがある。」佐藤知行は頭を掻きながら、ロゴの英文字を考えていた。
しばらくして。
佐藤知行は突然体を震わせ、手からペンを落とした。
ちょっと待て。
これはローシェル医学研究所の共通マークじゃないか!??
以前、彼の病気について、父親はこれらの医学界で非常に有名な研究所に助けを求めることを考えなかったわけではなかった。
しかし、これらの研究所の条件は常に厳しく、幾重もの審査を通過してはじめてチャンスを得られるのだ。
そして佐藤知行は、最初の審査で落とされてしまった。
我に返って。
佐藤知行は素早く紙袋を取り出し、再度確認すると、心の中で大きな波が立った。
本当にローシェル医学研究所のマークだ!!!
佐藤知行は信じられない様子で灰原優歌を見つめ、「灰原様、これは...どこで?」
「友人からの贈り物よ。」
椅子から転げ落ちそうになった佐藤知行:「??!」
ローシェル医学研究所の友人??!
佐藤知行は自分の認識が、再び打ち砕かれるのを感じた。
実は当時、トップニュースと掲示板が操作されていた件は、おそらく灰原優歌の仕業だということは分かっていた。
しかし、知らないふりをしていた。灰原優歌に面倒が及ぶのを避けるためだ。
だが今、佐藤知行は完全に呆然としていた!灰原優歌がローシェル医学研究所の人々と知り合いだなんて、全く想像もしていなかった!!!
あの人たちは神様のような大物ばかりなのに!!!
灰原優歌は突然付け加えた、「前のは、もう使わないで。」
スティーブンが言っていた通り、古い薬剤には副作用が大きかった。佐藤知行が太ったのも、副作用の一つに過ぎない。
そして彼女が持ってきたこの新薬は、ちょうどスティーブンが新しく開発したものだった。この薬剤を二、三ヶ月使えば、佐藤知行の病状は改善し、副作用も一切ないという。
同時に、灰原優歌の言葉に、佐藤知行は一瞬戸惑った。
その後、灰原優歌が先日彼の注射薬を持っていったことを思い出し、すぐに理解した。
佐藤知行は何故か鼻が詰まりそうになり、「ありがとうございます。」
彼は顔を上げ、黒い瞳を輝かせながら、「灰原様、必ずあなたの歩みに追いつきます。恥をかかせることはありません!」
いつか、自分も灰原様の力になれる!