柴田裕香が悲しそうに泣いているのを聞いても、柴田裕也は少しも動揺せず、むしろ高慢な目つきで、いらだちの色を浮かべていた。
「もう言い終わったか?」
「お兄さん、私こそがあなたと一緒に育った人よ」柴田裕香は目の奥の悔しさを隠し、病床に座って、すすり泣きながら言った。
「私も最初から、優歌が取り違えられていなかったらよかったと思う」
柴田裕也は一言一句はっきりと言い、柴田裕香の心を徐々に凍らせた。「これら全ては、本来優歌のものだ」
「お兄さん、あなた…」柴田裕香は口を開きかけた。
「掲示板で優歌を中傷したユーザー情報は、もう調べ上げた。後で送らせる」
柴田裕也は冷ややかに笑い、「母さんが最近私を探しているのも、この証拠のためだろう?それならば、柴田裕香、チャンスをやろう。