第220章 お兄さんが行くと叱られそうで心配

佐藤知行は一瞬で顔を真っ赤にした。

「い、いや、誰でもない」

「別にコネを使うわけじゃないわ」灰原優歌は軽く笑った。

彼女は時間があるときに、スティーブンと佐藤知行の手書きの申請書について話すつもりだった。採用するかどうかは、すべてスティーブンの判断次第だ。

「ありがとう、優歌。でも今回の申請は僕にとって特別な意味があるんだ。彼から直接認めてもらいたいんだ」佐藤知行も微笑んだ。

それを聞いて、灰原優歌は特に何も言わなかった。ただ身を翻して、机に伏せて少し居眠りをした。

授業が始まるまで。

灰原優歌は引き出しから白紙を取り出した。しばらく考え込んでから、一面びっしりと文字を書き始めた。

その後、佐藤知行が水を汲みに戻ってくる前に、その紙を彼の英語の教科書の中にさっと挟み、再び机に伏せて浅い眠りについた。