第221章 柴田裕也の事務所に申し込む

灰原優歌はまるで彼女のために用意されたミルクを見つめ、美しい目尻が思わず動いた。

「分かりました」彼女は手を伸ばしてミルクを受け取った。

それを見て、男は低い声で笑い、外から人に促されるまで、オフィスを離れなかった。

しかし間もなく、灰原優歌は宿題を脇に置き、iPadを手に取って、自分の二つのインターン実習プロジェクトの進捗状況を確認した。

突然。

灰原優歌は数通のメッセージを受け取った。吉田麻奈未からだった。

【柴田裕香が芸能界に入るって??あなたの次兄の個人事務所と契約するらしいわ。】

【この女、将来世論を操作しやすくするためじゃない??もう会社のマーケティングアカウントが彼女のイメージアップを始めてるわ。[笑]】

【優歌、優歌、いる???】

これらのメッセージを読み終えると、灰原優歌は眉を軽く上げた。確かに、柴田裕香がこのタイミングで芸能界に入ることは予想外だった。