第250章 お兄さんが君を苛めたの?

柴田裕香はついに後ろ盾を見つけたというわけか?

柴田裕也は唇を噛み締め、この件は厄介なことになりそうだと感じた。

……

その一方で。

柴田の母は嬉しそうに裕香の手を取り、「裕香、お兄ちゃんがもうすぐ帰ってくるのよ。この間、あなたが辛い思いをしたけど、お兄ちゃんが帰ってきたら、きっと助けてくれるわ」

「お兄ちゃんが帰ってくるの??」

柴田裕香は目を輝かせ、柴田の母を見上げた。

やっとお兄ちゃんが帰ってくる!

実は、柴田家の本当の実権者はお兄ちゃんなのだ。次男も三男もビジネスに興味がなく、これまでずっとお兄ちゃん一人が柴田氏を切り盛りしてきた。

「そうよ、何か辛いことがあったら、全部お兄ちゃんに話してね」

柴田の母も思わず笑みがこぼれた。「お兄ちゃんは誰に対しても冷淡そうに見えるけど、裕香、あなたも分かっているでしょう。お兄ちゃんはあなたの願いは何でも聞いてくれるのよ」