第258話 お兄さんがこう見ると、結構悲しいね

「……」

少し葛藤した後、灰原優歌は諦めることにした。

……

一方、柴田裕香はその光景を見て、歯ぎしりをした。

今回の保護者会で、灰原優歌は恥をかくだけだと思っていた。しかし、柴田裕也が休暇を取ってまで、灰原優歌の保護者会に来るとは思わなかった。

それに、お兄さんと、あの男も……

「裕香？見たの？また学年で2位よ。成績が安定してるわね」柴田の母は思わず笑みを浮かべ、得意げな表情を見せた。

これこそが私の娘であるべき姿！

「もちろんよ、お母さんに恥をかかせるわけにはいかないもの」柴田裕香は目の中の険しさを消し、母に微笑んだ。

……

学校の幹部たちが10分以上演説を行った。

まもなく、学年の上位100名と下位100名が、スクリーンに表示された。

ただし、下位100名の生徒たちの気まずさを和らげるため、学校幹部は生徒の姓と学籍番号のみを表示することにした。