第244章 さようなら、弟よ

「これは……もしヤブ医者じゃなかったら?」

青年は思わず躊躇した。

「だからこそ、投稿するんだ!」

マネージャーは冷笑して言った。「もしその人が柴田おじい様を治してしまったら、その後で投稿しても意味がない。むしろこうすることで、灰原優歌が賭けに出たと思う人が増えるだろう」

「分かりました」

青年は頷き、もう灰原優歌たちを追跡するのを止めた。

……

「所長、灰原さん、さっき誰かが私たちを尾行して盗撮していました」

アシスタントの言葉を聞いて、小籠包を食べていたスティーブンは、むせそうになった。

「なぜ早く言わなかったんだ?!」

その時、灰原優歌はゆっくりと言った。「見てました。大丈夫です、後で消しに行きます」

この言い方だと、知らない人は灰原優歌が自分の投稿を消すつもりだと思うだろう。