第256章 華麗な褒め方

両親たちまでもが、時々柴田陸信の方を見つめていた。

柴田陸信の三人は慣れっこで、春風のように穏やかだったが、一番端に座っていた灰原優歌は、複雑な心境だった。

特に今、土屋遥が彼女に頑張れという目配せをしたときには。

灰原優歌:「……」

誰が全教科不合格で、みんなに見られたいと思うのか??

しかし。

この保護者会で、灰原優歌以外の柴田家の三人の兄は、みな上機嫌だった。

「外国語の点数がいいじゃないか、87点!」

柴田浪は褒め始めた。「そのうち、優歌は通訳になれるぞ。」

その言葉が落ちた。

隣で子供の外国語の点数が100点ちょっとだったことで叱り終えた親が、思わず水を吹き出しそうになった。

この程度で、通訳!!?

夢でも見てるんですか???

続いて、柴田裕也も負けじと灰原優歌の国語のテスト用紙を手に取り、「優歌の国語の成績もなかなかいいじゃないか、古詩も全問正解だ。